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レソトは伝統を重んじ、伝統によって育まれてきた国でもあります。19世紀に建てられたコメ洞窟住居には、その当初より代々続いた家族が今でも暮らしています。洞窟は一度修復を受け、インフォメーションセンターも設置されました。現在は国家遺産として指定されています。収穫時期の脱穀作業は高い技術が必要であることから、今でも脱穀に地区の全員が参加するところもあります。収穫後は、冬に備えてトウモロコシや小麦を大きな手編みの籠に貯蔵する作業が待っていますが、この籠を作る技術もレソトの伝統工芸技術の1つです。伝統芸能には部族の踊りや棒術などがあり、村々を訪れるとこのような踊りに思いがけなく出くわすこともあるでしょう。また、ブッシュマン(サン族)による岩絵の宝庫でもあります。国内のいたる所に、伝統や狩猟方法、長く忘れられてしまった生活様式などを描いた岩絵が残っており、歴史家に多くの重要な情報を提供しています。 |
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古代恐竜の足跡 |
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サン族の岩絵 |
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手編みのモヘアタペストリー |
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バソト人の伝統的なダンス |
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伝統的なンラムダンス |
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すべての天然資源は神聖である。過去と現在と未来の連続性を意識し、現在生きている人びと、そしてこれから生まれる人びとのために共同して管理すべきである。これがアフリカ人の伝統的な考え方であった。レソトの文化は、土地はすべて国家のもの、すなわち全体としての国民のものである。アフリカの伝統文化では、個人、その共同体、その土地、そして環境とは互いに神聖な絆で結ばれていた。この絆こそアフリカ人の生活、アフリカ人の文化、アフリカ人の思想の伝統的な源泉であった。この絆が現在と未来に対する共同の倫理的責任感を生んだ。さらに、この神聖な絆は、アフリカ人の思想と行動の全体を支えるアフリカ人の信仰のほんの一面にすぎない。いま現在あるだけではなく永久に動きを止めることのない神による創造の過程に表現されている… 自然を通じて表現されているばかりかひとりひとりの人間を通じて表現されている …アフリカ人固有の宗教は唯一の神… 自然のさまざまな面にその姿を鮮やかに映しだしている神 … を信仰してきた。神は創造の内にいますと同時に創造の外にもおわす。すべての事物全体を貫く生命の力として神は存在する。アフリカ人の伝統的な世界観には、物質の活動と人間の行動を同一視する考え方がある。人間と自然環境の両方に物質と精神が重なりあって存在する… 精神的なものは物質として明示される… のがこの世界だと理解されているのである。要するに、精神も物質も神の創造物なのである。
モショエショエ二世の言葉「自立への復帰」/インター・プレス・サービス編 「先住民族 - 地球環境の危機を語る」清水和久訳 明石書店 より抜粋 |
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バソトハットを思わせるクイロアネ山(Qiloane) |
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岩壁で覆われたモハレダム |
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バソト族の盾をイメージした建物、ツーリストセンター |
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